地域プロボノ団体を運営して見えた3つの役割


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横浜アクションプランナーの高城です。
2010年の立ち上げから関わり、2011年度より6年間代表を務めてきましたが、この度、めでたく代表を退任することになりました。
若者団体を引っ張ってきた身として、世代交代は大事だと思っていて、嬉しい限り!
(とか言いながら、僕もこれまで通り、YAPにいるんですけどね。。。代表は降りるってことで気楽な参加者になります笑)

このYAPが立ち上がった7年前はプロボノ活動も横浜ではまだメジャーではなくて、活動する中で苦労することや地域ならではの新しい発見がたくさんあったなと振り返って思います。
また、僕らYAPは地域とともに活動を展開して行くという点では都市型のプロボノと事情も異なり、地域プロボノと名乗り独自な運営をしてきました。
これからの社会では地域型プロボノのニーズもますます増えていくと思ってますので、感謝を込めて僕らYAPが見えてきた地域プロボノの役割についてこの場を借りて共有したいと思います。

 

1)当事者性も重宝される地域。入口を作り、活躍の場を広げる【入口作り】

設立時のYAPはNPOへの広報支援がテーマで、専門スキルを持ったプロボノ人材が活動の中心でしたが、続けていくと「スキルはないけど、地域が好きだから参加したい!」という若者の参加も増えてきました。

これは横浜の地域性もあると思いますが、寝て帰るだけの地域じゃ勿体無いと思う若手社会人から、何かしたいという声は実は多いんですね。(そもそも学生時代にボランティア経験をする人口が増えているので活動関心層は増えているはず)でも、どこ行ったらいいかわからない。情報がない。だからYAPに問い合わせが来る。

一方で、地域のNPOの皆さんと関係性ができてくると地域の現状も見えてくる。NPOにはもちろんですが、プロボノでなくても関わる方法はたくさんあって、スタッフの高齢化や担い手不足は常に課題になっていたり、若手社会人への期待は思った以上にあるんですよね。

そこで、YAPでは3年目からNPOとのコラボ企画と称して、どんな若手社会人でも参加できるイベントや企画を実施し、マッチングの場を作ってきました。

こうした活動を進めていくと「自分たちのスキルで地域課題を解決する」という視点から、「自分たちがどういう地域に住みたいか。そのために何ができるか。」という視点へと広がってきたのがこの数年間でした。

地域には若手社会人の活躍の場は作ればたくさんある。地域に「お客さん」はいないんです。だから、専門性だけでなく、当事者性も大事にされる。あとは入口を作ればいい。

そしてこれはプロボノを受入る余裕がない団体にとっても若手社会人が参加する入口を広げるということ。団体側の入り口作りにもなる。

成果はもちろん大事、でも関係性も大事にする。専門性重視の都市型プロボノと異なり、一つの地域に関わるからこそ、ニーズに合わせたマッチングができる、これは「地域型プロボノ」の特徴の一つではないでしょうか。

とはいえ、今はプロボノもいろんな展開が生まれていますよね。僕らがプロボノと呼ぶのは少し違和感を覚える部分もあるかもしれませんが、本来的な「専門的なプロボノ」を育成する意味でも、若手社会人に地域への入り口を開くことは、YAPの大きな役割だと思っています。

都筑民家園での流しそうめん企画。地域に関心を持って活動を始める社会人の入り口の企画となった。

都筑民家園での流しそうめん企画。地域に関心を持って活動を始める社会人の入り口の企画となった。


2)仕事以外に輝ける場所が大事、参加者の思いを受け止め発信する場作り【出番作り】

「社会人になると忙しいし、ライフスタイルが様々で活動を継続するのは難しいよね」そんな声をなんとかしたい。そう思って始めたのがYAPでした。

しかし、参加するのはオフモードの社会人なので、彼らの思いを汲みながら仕組み化するのはなかなか大変で、トライアンドエラーしながらも見えて来たのは、達成ゴールを明確にし、プロジェクト型にすることでした。

チームを組んで一時的に活動できるなくなるメンバーがいてもフォローし合ったり、「忙しい時は忙しい」と宣言していいルール作ったり、オンライン・オフラインのコミュニケーションでモチベーションを保つ方法を考えたり、色々やりました。やりたい思いを大事にするにはどうしたら良いのか、これは人が集まる組織に共通する課題ですよね。失敗事例もたくさんあるけど。。。特に忙しい人が集まり、一つのプロジェクトを進めていくノウハウは随分蓄積できたと思います。

そして、活動して発見したのは若手社会人が集まると彼らの現状も見えてくるということ。

例えば、仕事以外に輝ける場所の大切さについては参加者と話していて改めてそうだなぁと思った話。

会社では効率化やITの進化もあって自分の業務範囲は決まっていたりする。営業職のようにお客さんと直接接する機会がない仕事もたくさんあって、エンドユーザーからお礼を言われる機会も少なくなって来た。

そんな会社では息がつまることもありますよね。だから、人から「ありがとう」と言われる機会や居場所を求めて、YAPで活動する社会人って多いんです。小さくても自分が関わって地域を変えられる、そんな場所が地域には必要。

これは一例ですが、貴重な機能だと気付いたのは3年前。行政の方に「地域団体には高齢者の方が多いので、彼らの声は行政に届くが、若者の声はほとんど聞くことができない」と聞いた時。まだまだ地域の活動者としてマイノリティの若手社会人の声や現状は地域に届きにくいんですよね。今後はこうした若手社会人の思いや声を発信することも大事な機能だと思っています。



5周年となった2015年には活動のノウハウやポイントをまとめた「若手社会人の地域活動参加を応援するためのハンドブック」を発行した。

5周年となった2015年には活動のノウハウやポイントをまとめた「若手社会人の地域活動参加を応援するためのハンドブック」を発行した。



 

3)地域に「行き場所」を作る。場を開き続けることで次の担い手が集まってこれること。【行き場所作り】

YAPも活動を続けていくには大変な時期もありましたが、なんだかんだと継続して活動を開き続けることでメンバーが集まれる場になれました。

やはり社会人になっても1、2年目は仕事に夢中で土日はバタンキューなんて人も多いはず、3年目になって余裕ができて、仕事以外にも居場所が欲しい。そんな時期に戻れる場所が地域にあるといい。

いや正確には居場所ほどにならなくても、休みだし何かやることないかなって思った時の選択肢、行き場所を作ること「いつでも」参加できる、戻れる場所

20-30代の社会人は異動、転職、結婚、引っ越し、ライフイベントが盛りだくさんな時期。若手社会人団体は2-3年でメンバーがごろっと変わる、なんてこともサイクル的には珍しくない。一時的に参加できなくなるけど開かれていれば戻れる。これもYAPの役割だと思っています。

そんなことで今回、引き継ぐ人が見つかり、次世代にバトンタッチできたのは大きな成果。

地域では場を開き続けることで新世代が循環できる場にできることは本当に大事だと思います。

 

設立時の集合写真。当時、高城は27歳。当時、最年少の大学生が現在は社会人になって参加してくれている。

設立時の集合写真。当時、高城は27歳。当時、最年少の大学生が現在は社会人になって参加してくれている。


と、長くなりました。

結論、地域でプロボノ団体を運営していくには【入口作り】【出番作り】【行き場所作り】が大事という内容でした。団体は作るのも大変ですが、活動を続けるのって本当に大変で。別に特別なことではないかもしれませんが、その中で見えて来た大事なことだと、改めて。

そして、今回はあえて書きませんでしたが、この7年で地域も大きく変わったと思います。プロボノ活動も今ではメジャーなボランティア活動の一つですし、地域では従来の量のボランティア(毎日参加できる)だけでなく、質のボランティアも同じくらい大事になりました。活動が開かれ、多様な参加ができるようになればライフスタイルが多様な若手社会人も参加できるようになる。若手社会人の活動はますます面白くなる時代になったと思います。

YAPは常に次世代に期待される団体にならなきゃね。
次の代表になる斎藤さんは僕よりも100倍くらいしっかりしている人なので、皆さん、乞うご期待。
なんども言いますが、僕はまだYAPにいます。次の肩書きはアドバイザーらしいです。なんだそれ。まあ、PR大使ってとこでしょうか。
新世代に邪魔にならない程度に頑張りたいと思います。
ということで、皆様、これまでありがとうございました。

これからもどうぞYAPをよろしくお願いします。

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横浜アクションプランナー

YAP

20-30代の若手社会人によるプロボノ団体として2010年7月に発足。
NPOの広報支援をメインに近年では若者の地域参加の場作りなど幅広い活動をして来た。
現在、登録メンバーは124人。7年間で述べ30NPOのプロボノ支援、参加者は約500人。
横浜在住または在勤者に加え、学生時代に横浜に縁があった社会人も多いのが特徴。

HP: http://yokohama-ap.jp/

若手社会人のための地域活動応援ハンドブック: http://actionport-yokohama.org/action1/yap/ActionNote.pdf 

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高城 芳之

13151791_1199200773423683_5727246037712617204_n 1982年生まれ。大学時代から横浜で市民活動に関わり、卒業後新卒でNPOで働き始める。現在は、横浜市内のNPO・企業・大学関係者で立ち上げた中間支援組織、NPO法人アクションポート横浜の事務局長。

『若者の地域参加の場作り』をテーマに大学生のインターンシップ事業や若手社会人なプロボノ事業など様々な活動を仕掛けている。

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